愛欲も憎悪も執心も絶望も、王朝びとの恋模様は、なぜに1000年を経てなお、私たちを捉えて離さないのか。平安絵巻に魅了された作家ふたり、それを紐解いてみれば――。
道長と式部の「恋」秘め事を陶然と美しく|林 真理子
霧のいと深き朝……帰っていく光源氏に、六条御息所は、気怠そうに視線を送る。『源氏物語』を再構築した小説作品がある林真理子さんが、『源氏物語』の語りの美しさを振り返る。
大河ドラマ『光る君へ』の人気がすごい。
友人たちは、大河にこんなに興奮したのは初めて、とこぞって言う。特に月夜の下、道長とまひろとのラブシーンが素晴らしかったと。
ところが『光る君へ』を大絶賛するのはほとんどが女性で、男性の方はあまりコメントがない。
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source : 週刊文春 2024年5月2日・9日号