高齢ドライバーの暴走事故が後をたたない。免許返納促進に取り組んでいる替瀬麺挙氏に話を聞いた。
――免許返納運動を始めたきっかけは何ですか?
「痛ましい事故が多すぎる。子どもたちが教えられた通りに手をあげて渡っているところに車が突っ込んでくるのだ。運転する高齢者はたいてい助かり、子どもが犠牲になる。船が沈没して救命ボートにあとわずかしか乗れないとき、高齢者が子どもを何人も押しのけて乗ろうとするようなものだ。これが許せるか?」
――許せません。免許の返納が必要です。
「老人は視力も聴力も反射神経も衰える。認知能力も衰え、道端に高齢男性がいると思ったら高齢女性だった。と思ったら冷蔵庫だったと思ったらポストだった、ということが起こる。歩行者がボウリングのピンに見えて、あのピンを狙えばストライクが取れると思うようになってからでは遅い」
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source : 週刊文春 2024年6月27日号