座り仕事の多い人にとって悩みの種なのが腰痛。日本人の4人に1人が痛みを抱えているというが、対策を徹底すれば避けることも可能と識者は語る。座り時間の目安から、靴の選び方、食事まで、徹底取材で見えてきた予防術。
日本整形外科学会の調査では、国内で腰痛を抱えている人の数は3000万人を超える。厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022)によれば、自覚症状のある病気やケガの第1位が男女とも腰痛だった。
ひとたび腰痛を発症すると、仕事や日常生活にも支障をきたす。しかし、通勤時や職場、自宅などで知らず知らずのうちに腰痛を引き起こすNG行動を続けてしまっている人が多い。そこで、専門家に「腰痛を招く5大タブー」を聞いた。
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腰痛は、ぎっくり腰などの急性腰痛、姿勢の悪さなどによって起こる慢性腰痛、ストレスによる心因性腰痛の3種類に分かれる。国際医療福祉大学三田病院脊椎脊髄センター部長の笹生豊教授が解説する。
「一言で腰痛と言っても原因は様々です。姿勢の悪さや筋肉の衰え、さらに背骨の影響もあります。背骨(脊柱)は、頸椎に7個、胸椎に12個、腰椎に5個の骨から成り立っている。それぞれの骨と骨の間にはクッションの役割を担う椎間板がある。骨自体は骨折でもしないかぎり腰痛の原因にはなりませんが、椎間板に負担がかかると腰痛の原因になることが多い」
背骨は、頸椎から腰椎にかけてゆるやかなS字カーブを描いている。背骨がS字に曲がっていることで、頭や椎間板などにかかる外部からの衝撃を分散してくれているのだ。笹生教授が続ける。
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source : 週刊文春 2024年7月18日号