女性の9人に1人が罹患するとされる乳がん。中高年女性の健康を脅かす疾患だが、専門家を取材すると50歳を越えてからの生活習慣が鍵を握っていることがわかった。最新の知見をもとに“最凶がん”への対処法を探った。

 

 乳がんは、中高年の女性にとって最も恐ろしい悪性腫瘍である。

『がんの統計 2024』(公益財団法人 がん研究振興財団)によれば2019年の乳がんの女性罹患者数は、9万7142人で女性のがんの中で第1位だった。年代別にみると、40代が死者の約半数を占め、50代も死亡者が多い。

 乳腺専門医で、国際医療福祉大学三田病院乳腺センター長の甲斐﨑祥一教授が、乳がんに罹る女性が多い理由を語る。

「1970年代頃から日本人の乳がんが増え始めています。女性の社会進出が活発となって働く女性が増えた。その結果、初産が遅くなるなど、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受ける期間が長くなったことが原因の一つとして考えられています」

甲斐﨑教授

 なぜ女性ホルモンの影響で乳がんが増えるのか。

「エストロゲンは乳がん細胞の中にあるエストロゲン受容体と結びつき、がん細胞の増殖を促してしまうためです」(同前)

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source : 週刊文春 2024年8月1日号