日本人男性の9人に1人が罹患する前立腺がん。一方で、治療法が確立され、早期に発見できれば5年生存率100%という疾患でもある。そのための検査の仕方から食事や睡眠まで、最新の研究成果にもとづく対策を聞いた。

 2人に1人ががんに罹患する現代。中でも日本人男性が最も多く罹患するのが前立腺がんである。

 前立腺は男性の生殖機能器官であり、約20gの小さな饅頭くらいのサイズの臓器だ。国際医療福祉大学三田病院の大東貴志泌尿器科部長が語る。

前立腺がんの罹患者数は1980年代以降の約40年で30倍に増えています。厚労省の統計では、罹患者は8万7700人で、がん全体の16.4%を占めている。2030年頃には、患者数は17万人以上に達するという予測もあります。男性にとって深刻な病気であることは今後も変わらないでしょう」

大東部長

 自身も4年前、70歳の時に前立腺がんに罹患した山門クリニックの山門實副院長が言う。

「前立腺がんは“男の宿命”だと思っています。加齢と共に私たちの体内では女性ホルモンが作られなくなり、男性ホルモンが優位になります。それによって前立腺の細胞が増え、がん化していく。たとえば、胃がんはピロリ菌の保菌者、肺がんは喫煙者とリスク因子が明確ながんもありますが、前立腺がんは全ての男性が罹りうるがんなのです

山門副院長

 ただし、前立腺がんは早期に発見できれば生存率が高いという特徴もある。三井記念病院の榎本裕泌尿器科部長が解説する。

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source : 週刊文春 2024年8月8日号