【前回までのあらすじ】重い空気の車内。口を衝いて出た「俺、担当降りるわ」。瀬尾が隣を見ると、美月はウインドウに頭をつけ、右頬に涙を流していた。そして車が止まると、外に出て、寂しそうに笑った。「ごめんね、瀬尾さん」――。いま別府市の会館で、無心になって踊る美月を前に、瀬尾は心の中で問い掛ける。私たちは「ごめんね」で終わる関係だったのだろうか。

 

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source : 週刊文春 2024年8月1日号