兵庫県の斎藤元彦知事によるパワハラなどを告発した元西播磨県民局長X氏が自死した問題。

 

「週刊文春」は、X氏が4月4日付で県職員公益通報窓口に公益通報をした後、県がどのように対応したのか、その全容を把握した。

斎藤知事

「X氏は3月12日、『斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について』と題する匿名の告発文書を作成。すると驚くべきスピードで文書作成者だと特定され、3月27日に局長職を解任されました。その後、X氏は4月4日、県職員公益通報窓口を通じて“正規ルート”で同内容を改めて通報していた。しかし斎藤氏は部下に『公益通報の調査結果を待たずに処分できないのか』と急かし、結果的に5月7日にX氏に対して停職3カ月の懲戒処分を下した。X氏が『死をもって抗議する』とのメッセージを遺して自死したのはその2カ月後です」(県庁担当記者)

正式に提出した公益通報文書の中身

 X氏が4月4日に正式に提出した公益通報文書を見てみよう。

〈令和5年7月30日の齋藤知事の政治資金パーティ実施に際して、県下の商工会議所、商工会に対して経営指導員の定数削減(県からの補助金カット)を仄めかせて圧力をかけ、パー券を大量購入させた。実質的な実行者は片山(安孝)副知事、実行者は産業労働部地域経済課○○(原文は実名。以下同様)課長。また、兵庫県信用保証協会○○理事長、○○専務理事による保証業務を背景とした、企業へのパー券購入依頼も実行された〉

〈令和5年11月23日実施のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードは県費をかけないという方針の下で実施することとなり、必要経費についてクラウドファンディングや企業から寄附を募ったが、結果は必要額を大きく下回った。そこで、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。(略)パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気休暇中。しかし、上司の○○は何処吹く風のマイペースで知事の機嫌取りに勤しんでいる〉

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source : 週刊文春