切っても切れない隣国は、世界を飲みこむ勢いで拡大している。その脅威にどう立ち向かうべきなのか。キャンペーン第1回で取り上げるのは、ビジネスの安全を脅かす邦人拘束だ。習近平体制下における中国社会の変質とは。
今、日中関係はより一層緊迫度を増している。当局者や関係筋を震撼させる事案が出来したのは、8月21日のことだった。
「スパイと疑われ、中国の国家安全当局に昨年3月から拘束されていたアステラス製薬の男性社員A氏が、ついに起訴されたのです。中国の“秘密裁判”で仮に有罪となれば、最悪、死刑判決もあり得ますし、今50代のA氏が、亡くなるまで収監されることも十分考えられます」(外信部記者)
5日後、8月26日には、中国の軍用機が史上初めて日本の領空を侵犯した。
中国は今、不動産バブルが崩壊し、経済は苦境にあるものの、日本への攻勢は激化している。本キャンペーンでは、この巨大な隣国と我々はどう対峙すべきか、ビジネス、軍事、教育など様々な側面から最新情報を交えて検証したい。
第1回はアステラス事件を題材に、ビジネスにおける問題を取り上げる。
中国で「反スパイ法」が施行された2014年以降、少なくとも17人の日本人が拘束されてきた。中国の弁護士資格を持ち東京弁護士会にも所属する李小龍弁護士が解説する。
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source : 週刊文春 2024年9月19日号