夜じゅうスタジオで作業して、朝の6時頃、タクシーで家まで帰るという日々でした。｜鈴木康博

（すずきやすひろ　シンガーソングライター。1948年、静岡県生まれ。東京工業大学卒業後、1970年、ジ・オフコースとしてデビュー。音楽史に大きな足跡を残すも、1982年、同バンドを脱退、ソロのシンガーソングライターに。最新アルバムは『十里の九里』。現在、全国で「鈴木康博LIVE2024」のライブ活動中。）

　僕は1948年、母の実家がある伊豆の修善寺で生まれました。康博という名前は、両親が結婚式をあげた三嶋大社でつけてもらったそうです。育ったのは、父の会社の社宅があった横須賀市追浜。2歳違いの弟も生まれ、4歳の時、横浜市磯子区の屏風浦(びようぶがうら)に移りました。そこは新興住宅地で、家は建売ではなく、大工が建てた3DKの平屋でした。応接間、寝室、お茶の間に台所。僕と弟の机は廊下にありましたが、受験する頃には扱いが良くなり、応接間で勉強するようになりました。

　1970年に小田和正さんらと「ジ・オフコース」としてデビューした鈴木康博さん。82年にバンドを脱退してからは、シンガーソングライターとして活動し、76歳の現在も精力的に歌い続けている。

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source : 週刊文春 2024年10月3日号

僕の10代は生きることが第一。家はなく、夢があるだけ。でも楽しかった。｜前田吟

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