定年などでライフスタイルが大きく変わる60歳。その変化の一つが健康診断だ。若いころのように漫然と受けていてはもったいない。人生100年時代のために、重視すべき項目はどれなのか。識者が教える最強活用術とは。

本当に重視すべきは?

 定年を迎える60歳以降は、生活環境や体調が大きく変化して様々な病気のリスクが高まっていく。だからこそ、一層、重要度が増してくるのが、定期的な健康診断だ。

 ところが、実際は60歳を区切りに、健診の受診率が急激に落ちてしまう。

 厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2019年)から健診や人間ドックの受診状況を年代別に見ると、男女とも50〜59歳が最も高く、男性で81.8%、女性は73.2%。ところが、60〜69歳の受診状況は、男性で73.3%、女性は67.4%と、それぞれ8.5ポイント、5.8ポイントも下がってしまうのだ。

 現役時代は勤め先の定期健診を受けていたが、退職後は健診を受ける機を逸して放置してしまうことが原因と考えられる。老年病専門医で、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授が語る。

「60歳や65歳で定年を迎えても、勤めていた会社の健保(健康保健組合)を2年間、任意で継続できます。その後は、自治体が行っている国民健康保険の国保健診、あるいは後期高齢者健診を受けることになる。国保の一般健診は74歳までで、75歳以上は後期高齢者健診となります。これらを大いに活用しましょう」

下方教授

 国保健診の検査項目は、身長や体重を測る身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査。その他、年齢によって眼底検査や心電図検査などが加わってゆく。

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source : 週刊文春 2024年10月24日号