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坂の都市の“いまだかつて例のないナゾの終着駅”「長崎」には何がある?

2022/01/24
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「鉄道発祥の地」長崎の1世紀半

 長崎といえば、繰り返しになるが江戸時代には西洋に開かれた唯一の玄関口であった。奥まった入り江に港があって、幕末には西洋の知識を学ぼうと全国から人びとが集まった。1865年には、イギリス人貿易商のトーマス・グラバーが長崎湾沿いに線路を敷いて、短いながらも鉄道を走らせた。人を乗せて走ったこともあったという。

 
 

 その期間はわずか1ヶ月ほどだったし、使った車両は中国へ輸出するもの。つまり日本で試運転をやったにすぎないようなものだったが、これは日本の国土の上で本格的な鉄道が走ったはじめての例。その場所には、「鉄道発祥の地」と書かれた碑も建っている。

 日本で初めて鉄道が走った1865年から約50年後に長崎駅が開業してターミナルとなり、さらに100年以上を経て新幹線がまもなくやってくる。まさにその過程にある長崎駅を見られるのは、いましかないのである。

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写真=鼠入昌史

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