2018年、ここ5年のあいだ巷で囁かれ続けた「eスポーツ元年」が、ようやく訪れた。
そう言われても、日本では実感を持てない人が多いかもしれない。eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)とは「コンピューターゲーム、ビデオゲームで争うスポーツ競技」と定義されるもの。当然、格闘ゲームからシューティングゲームにカードゲームなど、そのジャンルは多岐にわたっている。
しかし海外ではすでに、eスポーツシーンは熱狂を生み出しているのだ。かつてオリンピックが開催されたスタジアムに数万人の観客が集まり、選手の一挙手一投足に歓声を上げる光景を、2018年に“eスポーツキャスター”に転向した筆者は目の当たりにしている。
海外では年収が1億円を超えるプロゲーマーはもう珍しくない。賞金総額27億円の世界大会もあるし、アメリカのスポーツチャンネルESPNでプライムタイムに地上波放送された試合まである。アメリカでは各大学がこぞって優秀なeスポーツプレイヤーに奨学金を出している。「新しいスポーツ」として定着しているのである。
しかし、任天堂やSONYを生んだゲーム大国、日本のeスポーツはまだ発展途上だ。認知度は若者を中心に急速に高まってはいる。しかし、後述の理由で高額賞金が得られないため、プロの選手、専業の選手はまだ少ない。日本でeスポーツが本格的に普及するための課題を以下で述べていこう。