昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

元PASSPO☆槙田紗子「ももクロ夏菜子ちゃんを研究しなさい」と言われたアイドル時代

槙田紗子さんインタビュー#1――アイドル戦国時代を振り返る

2018/12/30

「地味キャラ」は「おいしい」と思った

――アイドルグループの「メンバーはみんな個性的で」はもはや常套句になっていますが、と言われることが多いんですけど、PASSPO☆は本当に個性的でしたよね。

槙田 いい意味で事務所が放任主義で、「自己責任でお願いします」というスタンスなんです。「事務所がすべて用意しました」ということはなくて、自分で行動しないと何もしてくれない。でも、「頑張ってダイエットして〇キロ落としました」とか、行動を見せるとちゃんと評価してくれる。そこは良かったなと思います。

――ギャルっぽい子から正統派、サブカル……クラスの“カースト”が違う子たちが集まった感がありました。そのなかで槙田さんは「地味キャラ」でしたが。

槙田 それは作られたキャラというか、事務所の人と話して決めたんです。他のメンバーは自分のキャラクターを分かっていたけど、私はキャラがないことに悩んでいて。それを当時のマネージャーに話したら「紗子は地味だから、地味キャラでいいんじゃない?」と言われて、私も「おいしい」と思ったから乗っかったんです。その頃、ももクロのあかりん(早見あかり)を見て、言っておけばキャラクターは浸透するんだと思ったんです。あのビジュアルから「クールビューティ」と言われていたけど、実際のキャラは違っていたじゃないですか。私も「地味です」と言っておけば、そう思ってくれるはず。地味キャラを見つけてからはラクでしたね。

 

PASSPO☆が他のアイドルから支持されていた理由

――ラクというと。

槙田 セルフマネジメントしやすくなったんです。「これを言えばウケるかな」とか「これを言えばファンが増えるかな」と自覚的に発言してました(笑)。「地味」というフレーズを使うだけで「面白い」と言ってもらえるんですよ。

――他のメンバーはスカウトで、自分だけ応募ということにコンプレックスはなかったですか?

槙田 逆に、自分の意志で入ったのは私だけなので、それをネタにできたし、ただ、オーディションで作られたグループに悔しさを感じることはありました。そういう環境でアイドルをやってみたかったんです。48Gや乃木坂のような選抜制のあるグループなんていつ落とされるか分からない緊張感の中でやってるじゃないですか。私は思考が体育会系なので「ぬるいんじゃないか」と思ったこともあります。フェスで他のグループのリハーサルを見て落ち込むこともありましたから。

――緊張感が足りないと思ったと。

槙田 いま思えば、私が子供だったんですよ。解散ライブ(2018年9月22日)を観て、PASSPO☆が他のアイドルから支持されていた理由が分かったというか。PASSPO☆には、「事務所のルールに則って、決められたことをしっかりやります」というグループにはない自由度の高さがあったんですよ。自分が在籍していた時はそれに気づくことができなかった。PASSPO☆が事務所の言うことを素直に聞くようなグループだったら人気が出ていなかったと思います。PASSPO☆の魅力って、私が思っていないところにあったんだなと痛感しました。