1ページ目から読む
3/4ページ目

「モモクロ夏菜子ちゃんの表情を見て勉強しなさい」

――PASSPO☆はもっと踊れるようになったほうがいいという気持ちはありましたか?

槙田 すごいありました。でも、無理なんですよ。PASSPO☆は若い頃に基礎レッスンを受けてないから。16歳でスタートしても、すでについてる動きの癖は取れないんです。その状態で応用である振り付けからはじめても越えられない壁があるんですよ。ハロプロに比べるといろいろと言われがちですけど、AKB48だってめちゃくちゃ上手いと思うんです。基礎ができている子が多くて、ひとりで踊らせても全然大丈夫なレベル。でも、PASSPO☆はそうじゃないところに魅力があると思ってます。社長も「ガチガチにダンスを揃える必要はない」という方針だったので。

 

――振り付けの竹中夏海先生はそれを踏まえて教えていたんですよね。

ADVERTISEMENT

槙田 そうです、そうです。個性を大切にしてくれる人だったので。竹中先生は振り付けの先生という立場を超えて、家族みたいな存在になってました。メンバーの内面のケアもしてくれたんです。いま私が振り付けをするうえで、竹中先生の影響はめちゃくちゃ大きいと思います。振り入れまでの間に、竹中先生がどんな振りを作ってくれるのか予想するのが楽しくて。たまーに一致すると「こうすると思ってた!」とひとりではしゃいでました(笑)。初期の頃、みんなでももクロの映像を観て勉強していたんですけど、それも竹中先生に「(百田)夏菜子ちゃんの表情を観て勉強しなさい」と言われたから。「人に伝えるってこういうことだよ」って。

「東京女子流のひーちゃんも衝撃だった」

――そんなこともあったんですね。

槙田 ウチらは最初の頃、パフォーマンス中の表情が“真顔”という感じでしたから。表情の作り方とかエネルギーの出し方が分からなかったんです。1回目のTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL 2010年8月7、8日)で、夏菜子ちゃんの動きが激しすぎるからピンがとれて帽子が浮いちゃったことがあって。女性から見たら「気になってしょうがないだろうなぁ」というシチュエーションなんですけど、夏菜子ちゃんは1回も髪の毛を触らなかったんです。その姿勢も先生に「素晴らしいから見習って」と言われました。PASSPO☆はすぐ前髪をイジっていたから。

 

――観ている側の集中力も途切れますからね。

槙田 初期は他のグループを観てステージでのマナーを学んでました。東京女子流もそう。半分ファン目線もありましたけど、とくにひーちゃん(新井ひとみ)には「あんな若いのに指先にまで表情をつけてる!」と衝撃を受けました。ただ、竹中先生も初めての振り付けで、PASSPO☆と一緒に成長していったと思うんです。その結果、先生はバカ売れしましたけど(笑)。

――『アイドリング!!!』でバカリズムさんが一番売れたように(笑)。

槙田 本当そうですよ(笑)。