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安倍晋三 首相
「県民の気持ちに寄り添いながら、基地負担軽減に向け一つ一つ成果を出す」

琉球新報 10月13日

安倍晋三首相 ©文藝春秋

 10月に玉城デニー知事と初めて会談した安倍首相は、「戦後70年たった今なお米軍基地の多くが沖縄に集中し、大きな負担を担う現状は到底是認できない」と述べ、沖縄県民の気持ちに寄り添うことを誓った。

 しかし、玉城氏が「認められないという民意が改めて示された」と辺野古新基地建設に反対する意向を伝えると、安倍首相は「(移設を)進めてきた政府の立場は変わらない」と強調。お互いに平行線で終わる。玉城氏は「対話しないことと対話を閉ざすことは違う。常に対話を呼び掛け、県民の願いを聞くよう言い続ける」と語ったが、会談のわずか5日後に「承認の撤回」に対し行政不服審査法に基づき、国は撤回の効力停止を申し立てた。

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 会談の直後に対抗策をとった政府に対して、玉城氏は「わずか5日後に対抗措置を講じた国の姿勢は、知事選で改めて示された民意を踏みにじるもので、到底認められない」とコメントした(朝日新聞デジタル 10月17日)。

もう一度出てくる「寄り添う」

安倍晋三 首相
「沖縄の皆さんの心に寄り添い、安倍内閣は、基地負担の軽減に、一つひとつ、結果を出してまいります」

首相官邸 10月24日

 驚くべきことに安倍首相はその1週間後、所信表明演説でまた「沖縄の皆さんの心に寄り添い」と発言している。いったい何にどう寄り添っているのだろうか?

 なお、11月には玉城知事との2回目の会談が行われたが、このときも安倍首相は「かねてからの米側と進めている計画だ」と工事を進める考えを強調した(琉球新報 11月29日)。

菅義偉官房長官 ©文藝春秋

菅義偉 官房長官
「沖縄県の置かれている立場は十分理解しているつもりだが、工事は引き続き進める」

琉球新報 12月14日

 土砂の投入に先立ち、玉城デニー沖縄県知事は13日、菅義偉官房長官、岩屋毅防衛相と会談を行い、埋め立て工事の中止を求めたが、両氏は応じなかった。玉城知事によると、菅官房長官は上記のように話したという。14日の記者会見で、沖縄の民意を顧みていないのではと問われると「まったくあたらない」と答えた(朝日新聞デジタル 12月15日)。