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岩屋毅 防衛相
「辺野古への移設が唯一の現実的な解決策だという考えに変わりはない」

産経ニュース 10月26日

岩屋毅防衛相 ©文藝春秋

 政府は辺野古移設が「唯一の解決策」という姿勢を一貫して崩していない。岩屋防衛相は11月26日の記者会見で、沖縄県議会が辺野古移設の賛否を問う県民投票条例案を可決したことに関して、投票結果にかかわらず辺野古移設を進めていく姿勢を示した。つまり、沖縄県民がどう思おうが、辺野古移設は強行するということだ。

 岩屋氏は今月3日に行われた記者会見で「一日も早く移設を進め、最終的に普天間の全面返還を実現するために、何とか(県の)ご理解をいただいて前に進めたい」と語っていたが(毎日新聞 12月3日)、「(県の)ご理解をいただいて」から基地移設を進めるのではなく、「移設を進め」てから「(県の)ご理解」をいただきたいと読める。

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県民投票に反対する「チーム沖縄」

下地敏彦 宮古島市長
「国全体に関わる問題は国会の場において議論をし、国全体としての意思を決定すべき」

琉球新報 12月19日

中山義隆 石垣市長
「法的拘束力もない。無駄な
55千万円を使うぐらいなら県民投票は必要ないというのが考え方だ」
琉球新報 12月19日

 玉城デニー知事は11月27日、辺野古移設の賛否を問う県民投票の投開票日を、来年2月24日に決めたと発表している。市民団体が9万筆を超える署名を集めて実施を求め、県議会で関連条例が成立していた。ただし、県民投票に法的な拘束力はない。

辺野古の埋め立て海域への土砂投入を受け、記者会見する沖縄県の玉城デニー知事 ©時事通信社

 県民投票を行うかどうかで沖縄県内が割れている。県内41市町村のうち、12月20日までに32市町村で採決があり、24市町村議会が予算を可決したが、8市町が予算を否決または削除した。

 いち早く県民投票を実施しない意向を明らかにしたのは宮古島市の下地敏彦市長。18日の市議会で県民投票に関する補正予算を削除した修正案を賛成多数で可決した。下地市長は再議に付したが、修正案が同様に可決された。下地氏は2009年の市長選で自民党、公明党の推薦を受けて当選。2017年の市長選では宮古島への陸上自衛隊配備容認派として3選を果たした。現在は保守系市長の連合「チーム沖縄」の会長を務める。

 現時点で予算未決の石垣市の中山市長は、18日の市議会で「県民投票は必要ない」と実施に否定的な見解を示した。中山氏は2018年の市長選で自民党、公明党、日本維新の会、幸福実現党の推薦を受けて3選。7月18日には陸上自衛隊の部隊配備を受け入れる考えを正式に表明している。中山氏、県民投票の関連予算を否決したうるま市長の島袋俊夫氏、沖縄市長の桑江朝千夫氏も「チーム沖縄」のメンバーである。