新しい年が始まった。今年は5月から新元号となる。この新元号元年のマンションマーケットを占うのが、東京五輪の選手村13万平米の跡地開発で建設、分譲が予定されるマンション群、通称「HARUMI FLAG」だ。

 この開発は2020年の五輪終了後、選手村として活用されていた建物を改装、さらに新たにタワーマンションを含む新築マンションを加えた総戸数5632戸、計画人口1万2000人の一大住宅街を開発しようというものだ。

 このうち賃貸住宅1487戸を除く4145戸が分譲を予定している。首都圏で年間供給される分譲マンション戸数は3万8000戸程度。年間供給戸数の1割強に及ぶ巨大プロジェクトである。開発分譲にあたるのは三井不動産レジデンシャルを幹事として三菱地所レジデンスや住友不動産、野村不動産など11社にも及ぶ。

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現在は選手村の建設が進められている ©AFLO

 発表された計画内容によれば、分譲が行われるのは4街区に5棟、5、6街区にそれぞれ7棟、計19棟、そのうちの2棟が地上50階建てとなるタワーマンションだ。14階建てから17階建てで構成される低層棟が2690戸、タワーマンションが1455戸という内訳になる。住戸タイプは床面積85平米程度の3LDKのファミリータイプが中心となる。

デベロッパーにとって「史上最大のプロジェクト」

 この分譲が早くも新元号となる5月から開始されるという。最初に開発されるのが選手村宿舎を改装して「新築」として売り出すもので入居予定は23年3月としている。タワーマンションは24年以降の引き渡しとなり、プロジェクト全体が完了するのは24年度中になる。最初に引渡しする低層棟でも4年も先の話。ずいぶん気の長いことだが、分譲を担当するデベロッパーサイドからみれば、この史上最大のプロジェクトをさばくには、かなりの長期戦での販売を覚悟せざるを得ないというのが本音のようだ。