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わいせつ犯からの手紙 「電車で寝ている女性の髪の毛を、なぜさわったのか」

「お姫様抱っこ」監禁事件犯・栗田良文の告白 #2

2019/01/15

genre : ニュース, 社会

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電車内で寝ている女性を探して、髪を触る

 姉と兄は「水野」姓を名乗って生活していたが、一人「栗田」のままだった。親と名前が違うといじめにも遭った。そんな栗田の拠りどころとなったのが「髪の毛」だった。始まりは5歳、施設から水野家に引っ越しをする際のこと。

〈施設から外に出ると、見るもの全てが違った。施設の中とは世界が違う。駅のホームにいた女性の髪もとてもきれいに見えたし、強い衝撃でした〉

 栗田はつい、女性の髪に触れてしまう。

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〈髪の毛は、その5歳の時にいきなり出てきました。姉とか、友達の髪に触る。人形の髪の毛を自分のチンチンのとこに入れることもありました。何か、髪の毛に対して、すごく大きいものが残りました。3年生のときに、教室で自分の前に座っていた女の子の髪を切りました。その子は泣いてしまって、授業は中断して、僕は違う教室に行きました〉

 後の犯行につながる電車での行動は、この頃から始まっていた。

〈電車内で寝ている女性を探して、髪を触ることは、小学3、4年生あたりからすでにやっていました。子供だったので朝10時とか昼から夕方とか。酔っているとかより、寝ている女性でロングヘアー。習い事をするようになって、夜やることも多くなりました〉

NNNニュースより

「19歳から32歳までいつも彼女がいたけど……」

 女子のコートやハンカチを盗んで匂いを嗅ぐなど、小学校高学年では問題行動も見られ、中1の12月、複数の女子のジャージを盗んだことが発覚して、栗田は水野家から施設に戻された。

〈水野家とは家族です。5歳から13歳まではいろいろなことを学ぶ時です。愛情も感じる。事件があって責任を取ってやめましたって、それは大人の世界でのことであって、子供で力がない自分には考えられないことです。捨てられた傷は今もずっとあります〉

 残ったのが髪の毛だった。「電車行動」は、高校生になって復活した。泥酔している女性の横に座り、髪や胸を触る。

〈19歳から32歳までいつも彼女がいたけど、事件を止めることはできなかった。自分のやっていることはダメだと思っても止められなかった。事件そのものが快楽となってしまっていました〉