東海林さん思い出の「肉カレー」を再現
またお会いできたらいいなあとずっと思っていたので、今回の「週刊文春」さんからの話はもちろん即答でOKした。ただ、東海林さんに料理を振る舞うというのはなかなかプレッシャーがかかる企画である。なにしろ、僕が小学生のときにサインを頂いた本が『ショージ君の「料理大好き!」』なのだから。
カレーはなかなか気に入ってくださったようだった。作ったのは、東海林さんが学生時代に下宿先で作ったと『ショージ君の青春記』に書かれている「豚コマ500グラム全投入カレー」を再現したものと、僕がインドで食べているようなカレーをアレンジしたものの2種だ。豚コマのほうも「そうそう、確かにこんな味だった」と喜んでくださったが、興味はもっぱらインドカレーのほうにあるようだった。
「カレーに鳥の内臓を入れるなんて考えたこともなかった! すごく合うんだねえ。これはおいしい」
そう言いながら東海林さんがレバーと砂肝だけ拾って食べ続けるので、しばらくしたら手羽元とモモ肉だけが残された普通のチキンカレーになった。残ったカレーは明日食べるから全部置いていってね、という東海林さんからの優しい言葉が嬉しかった。
帰宅後に、その日に東海林さんと一緒に撮ってもらった写真を姉へメールで送って自慢した。30数年前に東海林さんのサインをもらった日、姉もその会場へ行っていたのだ(彼女は椎名誠さんの列に並んでいたが)。
先日ひさしぶりに実家へ帰ったら、その写真がプリントアウトされて父の部屋に飾られていた。僕がずっと東海林さんのファンだったことを知っている父も、一緒に喜んでくれたのかもしれない。
【レシピ公開】ベンガル風チキンカレー
- ヨーグルト大さじ3・塩少々・おろしショウガ少々・おろしニンニク少々・ターメリックパウダー小さじ1を混ぜたものの中に、一口大に切った鶏レバーと砂肝250グラムずつを1時間ほど漬け込んだのち、満遍なく焼き色が着くまでフライパンで炒めてから取り出しておく。
- 熱した油に赤唐辛子3〜4本・シナモン3センチ程度・カルダモン6〜7粒・クローブ6〜7粒・黒胡椒10粒程度・ベイリーフ2枚を入れ、スパイスの香りが油に移るまで炒める(焦がさないように!)。
- 玉ねぎ(2個)のみじん切りを投入、透き通るまで10分程度炒める。これも焦がさないように。
- ショウガとニンニク各1片をおろしたものを投入、2分ほど炒める。
- トマト(1個)のみじん切りを投入、3分ほど炒める。
- ターメリックパウダー・クミンパウダー・コリアンダーパウダー・チリパウダーを小さじ2杯くらいずつ入れて3分ほど炒める。塩もこのタイミングで適量入れる。塩味は後で調整できるので、入れすぎないように。
- 手羽元5〜6本・一口大に切った鶏モモ肉250グラム・1で炒めておいたレバーと砂肝を入れて、手羽元とモモ肉が白く色づくまで炒める。
- 適量の湯を入れ、しばらく煮込む。
- 味を見て塩や湯を足したりしたあと、火を止めてからガラムマサラを少量入れて出来上がり。

