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芸人でもなく、俳優でもなく

―― お正月といえば、恒例の深夜番組『噂のCMガール』の司会もされていましたよね。

高田 ありましたね。けっこう、あの番組に出た後に有名になる女優の方も多くて、柴咲コウさんに「高田さん、覚えてますか? 私、あの番組に出たんですよ」って言われたこともありましたよ。

 

―― 舞台から始まり、バラエティのレポーターや司会、ドラマ、CMと高田さんのお仕事を振り返りますと、本当に活動のふり幅が大きいですよね。

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高田 うーん、ふり幅ってほどのものはないんだけどなあ。雑誌の企画で、人気芸人ランキングがあるでしょ。この前見たんだけど、好きな芸人ベスト100に入ってないんですよ。でも嫌いな芸人ワースト100にも入ってない。俳優ランキングを見ても、好きにも嫌いにも入ってないの。芸人でもなく、俳優でもなく、中途半端なんだよね。

―― むしろ独自のポジションを確立されてる気がします。タモリさんをして「この俺でさえ、不安を覚える」と言わしめる“適当さ”なんですから。

高田 お褒めの言葉だよねえ。まあ、しいて自分が何者かと言えば「タレント」というくくりなんでしょうけどね。好きなタレントのランキングだったら、ちょっとお金払えば50位くらいには入るんじゃないかなって、希望は持ってますよ(笑)。

#3 高田純次「老いを語る」に続く)

 

写真=鈴木七絵/文藝春秋

たかだ・じゅんじ/1947年、東京・調布市生まれ。都立府中高校を経て、68年に東京デザイナー学院を卒業。『適当論』『高田純次のチンケな自伝』など著書も多数。