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もうすぐ72歳 高田純次「こんな夢、語っちゃダメですか?」

高田純次「適当じゃない」インタビュー #3

2019/01/01

生き方って言われても、生きてるだけだからなあ

―― クラス会はけっこうやるんですか。

高田 そうだね。でも、大学行って会社に入った連中は、65歳で定年でしょ。今となっては「高田はいいよなあ、70過ぎても仕事があってさ」って羨ましがられてるんです。

―― しかも「抱かれたいお年寄り」第3位。

高田 そうだよ。みんなが病気の話してる中で、俺だけはその辺は元気だからさ(笑)。

 

―― 男女を問わず、高田純次的生き方に憧れる人が多いのも頷けます。

高田 生き方って言われても、生きてるだけだからなあ。今となっては、明日も朝に目が覚めればいいなって。ほら、人間って目が覚めてみないとわからないでしょ。目が覚めてみて、生きてることを実感するのね。

―― 何やら深いことをおっしゃってるように聞こえます(笑)。

高田 この前、自分の年齢を実感したのは、免許証の更新をしたときですよ。70歳過ぎて高齢者講習を受けなきゃいけなくて、教習所に申し込んだんだけど、いっぱいなの。期間も差し迫ってたから、いくつも申し込んでキャンセル待ちしたんです。

―― そんなに混んでるものなんですか?

高田 俺も知らなくてさ、焦っちゃった。キャンセルが出たから、講習は受けることができたんだけど、ちょっと待てよって考えてみたんですよ。なんでキャンセルが出たのかなって。もしかしたら、この年だからね、申し込んでた人が鬼籍に入っちゃったのかもしれないよね(笑)。

 

抱かれたいお年寄りの3位は、とりあえずキープしたい

―― それにしても、72歳になろうとしているとは思えないカッコよさで、高田さんから老いの話を伺っているのも不思議な感じがします。

高田 だって、こう見えても東京オリンピック観るの2回目になるんだから。前のオリンピックは17歳のときか。同級生が聖火ランナーやったんだよね。今不動産屋やってる奴だけど。

―― 何か競技は観に行けたんですか?

高田 チャスラフスカが出てる体操を観に行きましたよ。申し込んだら1枚チケットが当たってね。同級生から「売ってくれ」ってすごかったけど、俺はレオタード姿が観たかったから「ダメだ、ダメだ」って必死。でも、あんなに激しく動くのに、レオタードってずれたりしないんだね。

 

―― 次のオリンピックも体操のレオタードに注目ですか?

高田 いやあ、レオタードどころの時代じゃないよね。あれから50年以上経ってるんだから、水泳だって全裸じゃなきゃダメだと思いますよ。人が宇宙にまで行く時代に、まだ服着てるなんておかしいよなあ(笑)。そのあと万博もあるんでしょ。俺は78か……。どうかな、キツイかな。これからの夢って言われたら、抱かれたいお年寄りの3位は、とりあえずキープしたいってことですかね(笑)。

 

写真=鈴木七絵/文藝春秋

たかだ・じゅんじ/1947年、東京・調布市生まれ。都立府中高校を経て、68年に東京デザイナー学院を卒業。『適当論』『高田純次のチンケな自伝』など著書も多数。