『8時だョ!全員集合』『ドリフ大爆笑』。多くの人にとって、笑った数だけドリフの思い出があるでしょう。ドリフターズ “現役最長老”高木ブーさんは現在85歳! 今だから話せる貴重なお話をたっぷりとお伺いしました。聞き手は演劇史研究者・笹山敬輔さんです。
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まさか80歳を超えてタライを落とされるとは思わなかったけど
―― サントリー「伊右衛門」のCMでは久々にお元気そうな活躍ぶりを拝見しました。
高木 ああいうの大好きなの。作った人に感謝してるんだよ。
―― メンバーが揃うのを見るのは、ファンとしてもうれしい限りです。
高木 今の人の笑いのセンスもすごいと思うけど、僕らは全部、体を張ってやってきたからさ。どんな転び方したらいいのかって考えたりして。タライもそうだよね。まさか80歳を超えてタライを落とされるとは思わなかったけど(笑)。
―― 今日は、ミュージシャン時代から『8時だョ!全員集合』まで、芸能活動全体のお話を伺いたいと思っています。まずは、ドリフターズとの出会いから教えてください。
高木 僕は途中から加入したメンバーで、ドリフとはジャズ喫茶で知り合いました。そのころのジャズ喫茶は、30分交代で2つのバンドが出るんですよ。僕らのバンドが出たとき、その相手がドリフだったことがあったんです。
僕はドリフに引き抜かれたんです
―― そのときのドリフには、いかりやさんや加藤さんは?
高木 もういたよ。コミックバンド的なことをやってたね。リーダーが桜井輝夫さんで、小野ヤスシとかもいた時期だった。でも、知り合ったといっても、僕のところにスカウトに来るまで、いかりやさんと口をきいたことはなかった。
―― あっ、そうなんですか。じゃあ、突然いかりやさんが高木さんを誘われて。
高木 もちろん。小野さんたちが辞めることになって、欠員が出た。昔のバンドは、15日前に言えば辞められたんだけど、仕事が決まってたから困ったんだろうね。誰かいないかとなって、いかりやさんと桜井さんの2人が来て、引き抜かれたんです。