「平安を偲ぶ」御池通沿いのマンションポエム
「平安」モチーフでは以下のようなポエムもあってびっくりした。
平安を偲んじゃうのである。もはやマンション広告の域ではない。
そしてこの京都ならではの時間感覚は、ポエムのいたるところで見ることができる。千年のレベルで歴史を謳うのだ。
他にも
【此の地で出会うのは、千年の都が大切にしてきた内なる時間】
(積水ハウス「グランドメゾン京都御池通」ウェブサイトより)
【千年のいにしえより、御所とともにこの国の中心を担い続けた洛中】
(積水ハウス「グランドメゾン京都御池通」ウェブサイトより)
【大切なのは1200年という歴史に裏打ちされた土地の奥深さ、継承の重み、先見ではないでしょうか】
(伊藤忠都市開発「クレヴィア京都 二条」ウェブサイトより)
といった千年ポエムがたくさんある。東京のマンションポエムも歴史を謳うが、せいぜい江戸どまり。さすが京都である。
中には「後鳥羽上皇や織田信長といった史実に刻まれる名士たちのゆかりの地」(大和ハウス工業「プレミスト京都 烏丸御池」ウェブサイトより)というような人物による歴史アピールもある。しかし、マンション立地の魅力訴求のための人選として彼らをフィーチャーするのってどうなんだろうか。乱が起こったり焼かれたりしそうだが。
「アクセスの良さアピール」における歴史使い
極めつけは、「アクセスの良さアピール」における歴史使いである。交通の便の良さを示すページは、マンションサイトで欠かせない要素だが、ふつうここでは歴史性やあるいは先進性などといったコンセプトはひとまず置いておいて、鉄道各路線の状況や最寄り駅の紹介などに徹する。
しかし中京区はちがう。
【時代時代の覇者たちは、京の都を目指しました。そんな京都の求心力はいまも変わらず、さらに、この地から全方位へ足回りは繋がっています。】
(伊藤忠都市開発「クレヴィア京都 御所南」ウェブサイトより)
アクセスの良さを「時代の覇者」たちを使って表現! つくづく京都はすごい。やっぱり京都こわい。(初出「アットホーム」ウェブサイト)