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3年前の毎日が書いた「協賛金」という「別腹」

 JOCは16年に、外部のチームを設けて調査を実施したが、

《海外の関係者への聞き取りなどを行わないまま「疑念は払しょくした」と幕引きを図っていた。》(東京新聞1月12日)

 しかしフランス当局は捜査を重ねていた。

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 さらに、3年前の毎日新聞の同記事には「日本、協賛金400万ドル」という見出しが。

 協賛金?

《WADAの第三者委員会が公表した報告書は、東京に開催が決まった2020年夏季五輪の招致活動で「日本側が国際陸連に協賛金400万ドル(約4億7000万円)~500万ドルを支払っていた」とも触れた。》(毎日新聞2016年1月15日 東京夕刊)

 コンサル料とは別に協賛金約4億7000万円という「別腹」が指摘されていた。

 これはトルコの陸上選手がドーピング違反を隠蔽した疑惑に関する調査をしていたときに、トルコ関係者の話として挙がったという。

©iStock.com

 驚くのは次のくだりだ。

《トルコ側は、こうした協賛金を支払わなかったことから国際陸連の会長だったラミン・ディアク氏の支持を得られなかったと受け止めているという。》

 またしても、またしても、ラミン・ディアクの名前。

 コンサル料にも協賛金にも名前が出てくるディアク親子。こうなると竹田親子は防戦一方のようにみえる。

 竹田会長は15日、記者会見にあらわれた。しかし会見は7分で終了。オリンピック級の速さである。

馳浩氏が語った「裏金なんてまったく使えなかった」

 私は約2年前に、文春オンラインの企画で馳浩元文科相と対談した。

馳浩氏 ©文藝春秋

◆ ◆ ◆

鹿島 馳さんは東京五輪大会実施本部長も務め、現在は自民党スポーツ立国調査会長。オリンピック事業でも熱心に活動されていますが、先日、ブラジル検察が東京オリンピック招致にはコンサルタント会社経由での「買収の意図があった」と結論を出したという報道がありました。

 これについては、たしかフランスの警察当局が日本の関係者に事情聴取したはずですね。当時、安倍総理も、捜査が及べばきちんと答えたほうがいいと答弁しておられたと思いますから、買収の意図があったかなかったか、私は捜査結果に従うしかないと思いますね。

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 そして馳氏は「はっきり言えることはIOCの倫理規定というルール上、裏金なんてまったく使えなかったということです。」と断言した。

 これらの言葉、あらためて注目しておきたい。