「東京五輪 衝撃と動揺」(東京新聞1月12日)

 東京五輪・パラリンピックの招致を巡り、フランス捜査当局が日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長の贈賄疑惑で捜査を開始。

1月15日、2020年東京五輪・パラリンピック招致に絡む贈賄疑惑問題で、記者会見する日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長 ©時事通信社

 フランス・ルモンド紙のこの報道に、東京新聞はJOC幹部の動揺を伝えた。

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《このタイミングだと、どうしてもゴーンさんのことがあるので、フランス側の報復ではないかと勘繰ってしまう》(1月12日)

産経師匠はいち早く「報復説」をバッサリ

 夕刊フジは竹田会長の長男で作家の竹田恒泰氏の言葉を報じた。インターネットテレビでの発言である。

《恒泰氏は、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が逮捕された事件の“報復”とみる声があることを踏まえ、「(報復のようなことは)民度が低い国がやることだと思っていた。父をゴーン氏と同じように見られるのはたまったもんじゃない」と語った。》(1月13日付)

 竹田会長のご子息もフランスの報復説に言及。「仏は民度が低い」と。

息子の竹田恒泰氏 ©文藝春秋

 新聞の社説でいち早くこの話題を取り上げたのは産経新聞(1月13日)。

《竹田会長への捜査を、特別背任罪で追起訴された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告と関連づけて「報復」とみるのは誤りである。》

 そして、

《安易な陰謀史観は真実を遠ざける。》

 産経師匠、報復説をバッサリ。

 というのも《仏当局は、竹田会長の聴取をめぐり、ゴーン被告の事件が発覚する以前の昨秋から水面下でJOC側と調整を続けてきた。》から。

 今回の話はゴーン逮捕のずっと前からなのである。報復説がとんちんかんであることがわかる。