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バイリンガルのテレビ局員女性の場合
ここ2年ほど、一人の既婚男性と付き合いを続けている女がいる。彼は彼女より年上だが、彼の妻は彼女より6歳年下で、結婚して7年、子供は二人いる。二人目の娘はつい最近生まれたばかりだ。元々テレビ局の受付をしていた妻は、現在子育てと主婦業に専念していて、彼女はバイリンガルのテレビ局員である。
一度、普段はうまくいっている彼の家庭が破綻の危機に直面したことがある。彼女との付き合いが原因だったわけではなく、彼の転職と独立に家族が反対をしたことから離婚寸前にまで発展する喧嘩になったそうだが、そんな時に彼女はいたって冷静だった。
「家庭のゴタゴタで落ち込んでいるなら私との時間に楽しんでくれれば、くらいは思うけど。どういう結論になるかは私には関係がないからね」
彼女の言葉は冷たくも聞こえるし強がりにも聞こえて、意地悪な周囲は何かしらの本音を引き出そうと、別れたらどうするのか、一緒に住むのか、そもそも家庭がうまくいっていなくて彼女に乗り換えようとしているのではないか、などと問い詰めたが、彼女の見解はこうだった。
「今は彼のほうがかなり怒っているけど子供もいるし、そうそう別れるなんて結論は出さないよ。それに、万が一だけど、彼が今の奥さんと別れることになっても、別に私と次に結婚はしないからね。奥さんがいるから私と結婚しないわけじゃないから。多分」