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岡村靖幸と講談師・神田松之丞が語り合った“結婚と幸せとモテ”

2019/02/03

source : 週刊文春WOMAN 創刊号

genre : エンタメ, 芸能, 音楽

お互いぜんぜんモテなかった

松之丞 前から聞きたかったんですけど、岡村さんの歌詞って、モテない男の感情が生々しく描かれているじゃないですか。本当にモテてきたわけでもないのかもしれない、と思えるんですよ。

岡村 モテてきた歴史ではないです。逆にモテてたら、こういう感じにはなってないですよ。周りにモテモテの人っていました?

松之丞 バレンタインチョコを30個もらっているやつがいましたね。

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岡村 真逆です、僕は。

松之丞 僕はその30個もらっているやつから7個ぐらい譲ってもらっていました(笑)。モテないことへのイライラはありました?

岡村 イライラというか、いかんともしがたいな、とは思いましたね。ただ、そうやって自分の思い通りにならないことのほうが、ある時は念となり、ある時は願いとなり、また、ある時は苦しみとなって、詞や音楽になるなと。

松之丞 だから岡村さんの歌は男にも共感されるんでしょうね。ウソがない。一方で、それをぶつける音楽の世界は、モテてるやつが多い世界でもあるわけですよね。

岡村 でもいろいろ見ていると、モテることに対する考察はけっこう深いです。ステレオタイプのモテそうな感じと、現実は乖離してますよ。

松之丞 たしかに一見モテなさそうでも、女性が放っておかない男性っていますよね。あれは何なんでしょう?

岡村 いろいろあると思います。女性に対する所作が心地いいとか、優しいとか。需要と供給の問題もありますよね。モテてるのかもしれないけど、そこは自分の住みたい世界じゃなかったり。

松之丞 素人じみた質問ですけど、岡村さんはご自分のどこが人気の要因になっていると思いますか。

岡村 わからないですけど、松之丞さんのお客さんは、「神田松之丞じゃないとダメ」でしょ?

松之丞 そうですねえ、うん。

岡村 それと同じですよ。

松之丞 いや、いま思ったんですけど、岡村さんのパフォーマンスがすごいからというのは当然として、飾らないですよね。そこがカッコイイなと。結婚したいとか、子供がほしいとか、ささやかな幸せをいまだ渇望されているところにも魅力を感じます。

岡村 でも、結婚も、子供を作ることも、「ささやかな幸せ」なんですかね? 長嶋茂雄さんも、ビートたけしさんも、ジョン・レノンさんも、みんなしますよね。

松之丞 たしかに。

岡村 ネットニュースとかを見ていると、誰々の第何子誕生みたいなニュースが多いですよね。お祝い事だからよく報道されるんだと思ってましたけど、あまりにもよく流れてくるんで、背後で何かが動いてる気もします。

松之丞 岡村さんがそういうニュースばかり気にしてると、自然とそうなるんじゃないですか(笑)。ネットで最適化されて。

岡村 そうか、僕がよく見てるから(笑)。

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写真=榎本麻美/文藝春秋

かんだまつのじょう/1983年東京都生まれ。2007年三代目神田松鯉に入門。二ツ目ながら独演会チケットが即日完売する講談師。TBSラジオ「問わず語りの松之丞」での忖度なきトークも人気。2020年2月に真打ちに昇進する。

おかむらやすゆき/1965年兵庫県生まれのシンガーソングライターダンサー。『GINZA』の人気対談連載をまとめた『岡村靖幸 結婚への道 迷宮編』(マガジンハウス)が好評発売中。待望の2年5カ月ぶりのシングル「少年サタデー」がリリースとなったばかり。

週刊文春WOMAN (文春ムック)

 

文藝春秋

2018年12月29日 発売

岡村靖幸と講談師・神田松之丞が語り合った“結婚と幸せとモテ”

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