この日、新宿末廣亭の寄席に出た松之丞さん。タイミングよく岡村さんもその高座を初鑑賞。人気者ふたりの初顔合わせやいかに!?
◆ ◆ ◆
岡村 ナマで観たら、やっぱり迫力ありますね。講談をすごく現代的にわかりやすく、噛み砕いてくれる。傾(かぶ)いてるなと思いました。
松之丞 岡村さんにそう言ってもらえるのは嬉しいですね。
岡村 最後に師匠(神田松鯉)が出たじゃないですか。スタイルが似ているのかと思ったら、ぜんぜん違うんですね。師匠のほうはわりと淡々と話されていて。
松之丞 師匠も、若い頃は僕みたいにうるさくやっていたかもしれないんですが、歳とともに淡々と引き込むようなやり方になって。あの抑制が利いた感じも、講談の魅力なんですよね。今回、岡村さんに末廣亭まで来ていただいたのは、いろんなスタイルや寄席の雰囲気を味わってもらいたいというのがあったので、よかったです。
岡村 とても楽しかったです。
松之丞 あと、同世代の落語家に岡村さんのファンが非常に多い。「岡村ちゃん、聴けよ」って年中勧められるんですけど、今回、その理由がわかりました。DVDなどを見ると歌唱やダンスも圧倒的だし、エンターテインメントとしての完成度もハンパない。その一方で、結婚に関する対談をまとめた新刊を読むと、すごくフランクに話をしてるじゃないですか。こりゃ、みんな好きになるわって。
「飲む打つ買う」は芸に必要か
岡村 まさに松之丞さんも結婚されて、先日、お子様も生まれたとか。いま絶頂じゃないですか?
松之丞 客観的にはそうかもしれない。岡村さんも絶頂ですか?
岡村 どうなんでしょうね?
松之丞 違うんですか(笑)。
岡村 絶頂にもいろいろありますが、まず結婚したことがないです。
松之丞 そういうベタな幸せのパターンも欲しいんですか?
岡村 欲しいですよ。
松之丞 本を読んで、正直「この人、本当に結婚したいのかな」と思ってしまったんですよ。
岡村 よく言われます。
松之丞 好きな人を見つけたいってことなんですか?
岡村 それもあるし、結婚したり、子供作ったりして、幸せになっているんですよね、みんな。
松之丞 たしかにわざわざ言わないですけど、幸せですね(笑)。