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年をとるって好きなの。若くなりたいなんて思わない
若いときは自分への見栄と、子育てと縁でつなげていって、ふと年とってあちこちの体調不良に気づかされたとき、このままじゃ死ねないって。じゃ、あやまる。あやまるのは力も不要だし、タダだしケチな私にはピッタリ(笑)。年をとるって好きなの。若くなりたいなんて思わない。不老長寿の薬なんか発明されたら、即ヤメテ~!(笑)
(「家族というテーマは無限大です。」2008年7月)
死ぬために生きているのではなく、生き切って死というものがあって
この歳になると、たくさんの死と出会っていますからね。今まで一緒にご飯を食べてた人が、わりかしあっけなくふーっと亡くなっていく。親しい人、よく知ってた人ほどあとから悲しみが増すでしょ。オカンもそんな人。だから生きていたときが懐かしくなるように、彼女の日常の積み重ねが大きかったんです。死ぬために生きているのではなく、生き切って死というものがあって、いなくなった瞬間に、生の感情がドドーっと出てくるみたいな。
だから、もうちょっとオカンのオカシイ部分、コロコロ生きてるところをやりたかったなという気はする。それは出番を増やすってことじゃなくてね。中途半端に生きてるとやっぱり、“ああ、お話だから死んだのね”ってなっちゃうじゃない?
(「樹木希林の言葉」2007年4月)