思ったより怖かったから、ちょっと後ろのほうで
―― 本格的すぎて「思ったより怖いぞ、この人たち」と言われることは?
倉本 不採用でも、いちいち駄目だった理由を向こうは言いませんから、何とも言えないですけれども……ただ、エントリーの時点で「ちょっと怖すぎる」というのは聞きますね。
或布 現場で言われることもあります。「思ったより怖かったから、ちょっと後ろのほうで目立たないようにしてほしい」とか。
―― ファッションがとても気になるのですが、普段はこういう格好じゃないですよね?
倉本 そうですね。これは衣装です。でも、或布は……。
或布 僕は最近ずっとこうですね。うちの衣装をやっている、バースジャパンっていう悪党服専門のアパレルブランドがありまして。ピコ太郎さんの衣装やドラマ『今日から俺は!!』の衣装などを提供しているところなんですけど。そこのメインのモデルになっちゃったので、普段かわいい格好するのは違うだろうということで、なるべくこういうファッションで。
不良役をやる際のファッションポイント
―― ファッションポイントがあれば伺いたいです。
或布 撮影の時って、みんな基本もっとジャラジャラアクセサリーを着けるんです。小道具とかそこら辺にもあるんですけど。派手なスーツとか、派手なチェーンとか、僕なんか耳も指が通るぐらい穴を拡張してるんで、キラッキラの石入った金のピアスで向こうが見えちゃうようなやつをつけたりして、基本汚い感じで。
―― 現場に行くときは?
倉本 必ずこれ(衣装のジャージ)です。着ていきます。家を出たときから、帰るまでが全員高倉組ですね。
―― そうすると、オンオフの区別はどうやってつけるのですか。
倉本 奥さんの前ではオフ。
―― なるほど。
紋の意味は「愛を持ってやくざをやろう」
倉本 街を歩くときもできるだけこういう格好で、「高倉組」のパスを持って。
或布 これはもちろん、職質よけです。
―― この紋はどういう由来で?
倉本 ハートが3つですね。俺が作りました。愛を持ってやくざをやろう、という。
―― スーツだったら、どういったものを着るのですか。
倉本 大体こういう、縦縞のダブル。撮影では80年代のやくざが一番求められるので。だから、こういうバカみたいに派手な、今はやくざが着ないようなのばっかりを着て出ます。細身のヴェルサーチとか、絶対着ないです。俺のパンチ(パーマ)も80年代ですし。
―― 違和感はないんですか?
倉本 ないわけではないですけれども、やっぱり80年代のやくざは、「いかにも」というか、画的にすごくいいじゃないですか。今はやくざがその辺のサラリーマンに見えたり見えなかったりする時代ですから。