1ページ目から読む
2/3ページ目

一面が続いたと言えば、「SMAP解散」報道

 同じテーマの一面が続いたと言えば、3年前の1月に勃発したSMAP解散報道があった。

 解散報道が(2016年)1月13日にはじまって以降、日刊スポーツ、スポーツニッポンはSMAP一面が「12日間連続」だったのである。久しぶりにSMAPでない一面は、大相撲初場所で初優勝した琴奨菊だった。その見出しは、

「SMAPから1面奪った!!琴奨菊」(日刊スポーツ・2016年1月25日)

ADVERTISEMENT

「SMAPより琴奨菊」(スポーツニッポン・同)

「1面奪った!!」もなにも報じる側次第だと思うのだが、それほど騒ぎが続いていたことがわかる。

琴奨菊 ©文藝春秋

 しかし今回の夕刊フジの韓国一面見出しはSMAP12日間連続をはるかに上回る。それだけタブロイド紙は一点集中が売りということもわかる。

 この韓国連続記録はいつまで続くのか? いつしか私はアスリートの記録を見守るような心境で見守っていた。

ついに、連続記録が途切れた日がやってきた

 そして遂に「記録」が途切れた日がやってきたのである。それは2月6日であった。

 その日の一面は、

「辻元 外国人献金」

 立憲民主党の辻元清美氏の記事が「韓国」連続記録を止めたのである。

「政治資金規正法に抵触する行為であり、過去には複数の閣僚が辞任に追い込まれている」と夕刊フジは大々的に「スクープ」。

 しかしよく見ると「韓国籍弁護士から 辻元 外国人献金」という見出しなので、やはりここでも「韓国」だったのである。

 リード文を読んでみよう。

《立憲民主党の辻元清美国対委員長の政治団体が、2013年度から少なくとも2年間、韓国籍の男性弁護士から「外国人献金」を受けていたことが、夕刊フジの独自取材で分かった。》

辻元清美氏 ©時事通信社

 私が気になったのは次の部分。

《立憲民主党は最近、国会の代表質問や衆院予算委員会で、韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射問題などを取り上げない「韓国スルー」が注目されたばかり。》

 ここを読むと「韓国籍の人から献金をもらっていたので辻元氏や立民は韓国のレーダー照射問題についてスルーしていた」というようにも読める。行間で誘導しているように読める。タブロイド紙は刺激的でわかりやすいのが売りだがこれはちょっと「檄文」すぎる気がした。

 というのもレーダー照射問題は政治家が率先して騒ぐのはどうなのか?という指摘も当初からあったからだ。日刊スポーツのコラム「政界地獄耳」は国会議員だけでなく内閣にいる人間も火に油を注いだとして、

《外野の議員が騒いでも少なくとも彼ら内閣の担当者たちが感情的にならぬよういさめる役回りなのではないか。》と書いた(1月8日)。