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「SNSの相撲ファンは本当のファンじゃない?」稀勢の里発言が問いかけたこと

力士の寝顔や笑顔の対極にある相撲の魅力

2019/02/25
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力士の寝顔や笑顔が話題を呼ぶSNS

 しかし、常に新しいファンも取り込んでいき、時代に即して変化していかなければ「人気商売」は廃れていくものだ。観客あっての大相撲興行である。八百長問題など、一連の不祥事が続いて人気低迷にあえいでいた日本相撲協会は、その打開策のひとつとして、2011年からSNSでの広報活動を採り入れた。フェイスブック、ツイッター、近年ではインスタグラムにも力を注いでいるのだが、普段目にすることのできない力士の寝顔や満面の笑顔などがアップされて人気を呼ぶ。

千代丸の寝顔は7000近くリツイートされた

ツイッターのフォロワー数は年を重ねるごとに増え続け、今や33万人超を誇っている。近年の大相撲ブームは、SNS発信が功を奏した結果(のひとつ)でもあり、若年層や女性の相撲ファンも増え、彼女らを指す「スー女」という新しい言葉も生み出したほどだ。

昨年のクリスマスイブに力士の髷にサンタ帽を被せ、物議をかもした

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「土俵の中とその周辺は古来の伝統を守り抜き、それ以外の部分では、ファンサービスの観点から、両国国技館を大相撲のテーマパークのようにしていきたい」と、相撲協会は時代に合わせて進化を続けてもいる。