「札幌の風俗で裸のまま倒れて集中治療室に入ったとき、この体験は、絶対に滑らない話だと確信していました。もちろん恥ずかしい気持ちもあったんですが、ウケたい気持ちが勝ったというか……」
現在は漫画家として活躍している中川学さんは、かつて中学校の数学教師だったが挫折、ニートに。そこから社会復帰しかけた直後、今度はくも膜下出血を発症してしまった。生還を果たした実体験を描いた『くも漫。』(リイド社)は話題となり、このたび映画化されることに。
「前著の『僕にはまだ 友だちがいない』をTVドラマにしてくださった小林稔昌さんとスタッフが、この作品も気に入ってくれたんです。映画は、痛みに耐えるグロいシーンだけでなく、笑ってしまうシーンも多いです。とくに風俗店の床でうつぶせに倒れた僕を、救急隊員が囲む場面を完全に再現してくれていたのには、原作をリスペクトしてくれているのを感じましたね」
人生でもっとも恥ずかしかったと後に振り返るこの体験を、中川さんはみんなに見てもらいたいと語る。
「とくに男性には、人生に絶望するのはこの作品を見てからでも遅くないと言いたい。女性には、どうか大目に見ていただければ……」
INFORMATION
『くも漫。』
2月4日(土)より、全国順次公開
http://kumoman-movie.com/