出版不況で街から書店が消えるなか、急速に店舗を増やしているのが、体験型の個性派書店、天狼院書店だ。2013年に池袋店をオープンし、福岡、京都など6店舗を展開。今後も拡大を続けると、店主の三浦崇典さんは明言する。

三浦崇典さん ©山中菜摘

「出店を急いだため、20回ほど倒産の危機がありましたが(笑)、今は順調です。成功モデルを見つけたので、100店舗くらいは出店したいですね」

 起業前は書店員だったという三浦さん。書店ビジネスの強みと弱みは熟知していると、経営に自信を見せる。

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 多くの店にカフェ・スペースが併設されており、多様なスキルを学べる講座やイベントも人気。「天狼院ライティング・ゼミ」は、のべ6000人が受講したというから驚きだ。また、「小説家養成ゼミ」は、今年の松本清張賞受賞者(坂上泉さん)を輩出した。

「天狼院は『人生を変える書店』なんです。写真の撮影技法の棚の前にいるお客様は、本がほしいのではなく、撮影がうまくなった未来の自分がほしい。それに応えるメソッドを提供しているということ。8月から新スタイルの『演劇ゼミ』も始めました。演劇にも革命を起こしますよ」

 今月26日には池袋で6周年記念感謝祭を開く。

INFORMATION

天狼院書店
講座など詳細はhttp://tenro-in.com/