テレビ番組でのカミングアウトを機に、「日本初のレズビアンタレント」という肩書を与えられた牧村朝子さん。その後、2013年に仏人女性と彼女の母国の法律に則って結婚。現在は文筆家として活動しながら、LGBTに関する講演も行う。昨年秋に上梓した『ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?』(イースト新書Q)は、そんな活動の中で牧村さんに最も多く投げかけられた“ある質問”がきっかけで生まれたという。
「『LGBTの人にどう接したらいいですか』と尋ねられることがとても多くて。でも本来、LGBTは人間の種類を示すものではありません。彼らをモンスターのように捉えるのではなく、皆と同じ普通の人間であると伝えたかった」
その一方で今後は、「LGBT」を卒業したいと話す。
「中高生に『私も牧村さんみたいにカミングアウトして、堂々とLGBTの活動をしたい』と言われて、その子たちの道を狭めている気がしたんです。彼女たちが大人になる頃には『LGBTとして生きる!』なんてわざわざ公言しなくても、当たり前のように自分の道を生きられる社会になっていて欲しい。今はまだ自分も檻に入ったパンダ状態。LGBTという言葉に感謝しつつも、脱しなければいけない時だと思っています」
INFORMATION
『ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?』
イースト新書Q
http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=2670