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ノーパンしゃぶしゃぶ、機密費流用……平成官僚の汚職事件を振り返る

2019年の論点100

 アジアの諸外国に比べて近代日本の発展が目覚ましかったのは、政治家や官僚が比較的清廉であったからだと言われる。たしかに、今でも大統領から警官まで、賄賂を渡さなければ話が進まない国はたくさんある。

 しかし、本当にそうか、と思わせる事件が後を絶たない。

 昨年7月にも、文科省の現役局長が私立の医大との間で、私立大学支援事業で有利な取り計らいをする見返りに、息子を入試で合格させてもらったとして逮捕された。いまどき、テレビドラマのシナリオでも没になりそうな、陳腐な汚職の構図に唖然とする。

 昭和の終わりにリクルート事件という大疑獄があった。大臣経験のある政治家や大物財界人、前文部次官、元労働次官ら12人が東京地検特捜部によって起訴され、その反省から、平成は官僚の綱紀粛正が図られてきたはずである。

 しかし、1996(平成8)年に岡光序治前厚生次官が、特別養護老人ホームの補助金交付をめぐって賄賂を受け取ったとして逮捕された。事務次官という官僚のトップ経験者の実刑判決が確定したのはこれが初めてのことであった。

収賄容疑で逮捕移送される岡光序治前厚生次官 ©文藝春秋