『スター・ウォーズ』のまさかの邦題候補
『未知との遭遇』(原題はClose Encounters of the Third Kind[第三種接近遭遇]、1977年のアメリカ映画)は原題のままだとハードなSFっぽいですが、邦題は少しそれを緩和して、SF映画ファン以外にも観てもらえるよう工夫を凝らしたものでした。なお『スター・ウォーズ』の最初の邦題候補は「惑星大戦争」でした(本当です)。
業界で伝説の邦題と言われているのは『愛と青春の旅立ち』(原題はAn Officer and a Gentleman[士官と紳士]、1982年のアメリカ映画)。全く映画の内容は伝わりませんが、なんかすごい青春ラブストーリーだ、ということは伝わりますね。
なお、マーベル原作の『マイティ・ソー』は原題がTHOR。原作のコミックの名前は「MIGHTY THOR」なので、アメコミファンにとっては実は日本版のほうが嬉しい。「ソー」という邦題だと、あのジグソウが出てくるホラー映画『ソウ』と間違える人が多いので、『マイティ・ソー』にしたそうです。
日本でその原題を使ったら、誤解される可能性がある場合は、あえてタイトルを変えたり副題をつけることもあります。『MEG ザ・モンスター』も“メグ”のままだったら、なんだかかわいらしい映画に聞こえてしまいますから。
映画ファンは映画周辺までもを愛してしまうもの
世の中にはいろいろな商品の広告・宣伝があふれていますが、その広告や宣伝方法自体までもがこれほど熱く議論されるものって少ないのではないでしょうか?
つまり映画ファンというのは、映画だけではなく、その周辺も含め愛している。だからこそ作品の内容だけではなく、その映画がどのような切り口で紹介されるのかも気になるところだと思います。
映画は映画を観ておしまい、ではなく製作発表のニュースをきいてワクワクし、その映画の宣伝をめぐってもワイワイ騒げて、そして映画を観たあとSNS等で皆が感想を発信してワーキャー盛り上がる。1つの映画をネタに楽しめるスパンがすごく長くなりましたね。映画だけでなく、映画宣伝についてもいろいろな意見を交わすことは楽しみ方の1つかもしれません。