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「せめて3年に1回は作り直してほしい」

「人生で2度訪れる目の大変革期は、本当は年に1回メガネを作り直すのが医学的にはベストです。とはいえ、それはなかなか現実的ではないので、せめて3年に1回は作り直してほしい」

 そう語る平松医師が奨励するのは、2つのメガネを持って、1年半ごとに片方のメガネを作り直す方法だ。

 こうすることで、作り替えたときに大きな度数の変化を経験しなくて済むので、目や脳の受ける影響も小さく済む。

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©iStock.com

 もう一つ、注意したいのが「鼻あて」だ。

 メガネは毎日使っていると、フレームにゆがみが生じる。特に鼻に接する「鼻あて」は気付かぬうちに緩んだりずれたりして、これが原因で目とレンズの距離や角度がずれてくる。

 その結果、たとえ度数は合っていたとしても、目や脳に疲労が溜っていくことになる。

「鼻あてはせいぜい数百円のものなので、年に1度は交換してほしい」(平松医師)

連続使用型のコンタクトレンズも耐用年数は2~3年

 コンタクトレンズを使っている人はどうなのだろう。

 平松医師は「使い捨てのレンズを使っている人は有利」と指摘する。

「使い捨てレンズであれば、新しいレンズを買うたびに視力を検査するチャンスがあるので、そこでの微調整が可能です。しかし、一度買ったレンズの度数を信じ込んで検査を受けず、ネット通販で買い続けているとそのチャンスを失ってしまう。これはネット通販が悪いのではなく、買う側に問題があるのです。

©iStock.com

 一方の連続使用型のレンズの場合は、メガネと同じく耐用年数は2~3年なので、その期間を超えて使うのは危険です。新しいレンズを購入するときは、前回の度数を踏襲するのではなく、必ず検査を受けて、最新の視力に合わせて作るべきです」(平松医師)

こんな時にはメガネを作り直すことを考えるべき

 平松医師は、購入からたとえ3年が過ぎていなくても、こんな時にはメガネを作り直すことを考えるべきだという。

・メガネをかけた状態で本や新聞、スマホやパソコンの文字が読みにくい
・従来は見えていたものが見えにくい
・従来と同じ作業をしているのに頭痛や肩こりがするようになった

 CMでお馴染みの例のあの拡大鏡を使えば、小さな文字も見えるかもしれない。しかし、拡大鏡というものは、メガネをしたうえで使って初めて意味がある。

 元のメガネの度が合っていなければ、拡大鏡を使ったところで「ゆがんだ文字」が大きくなるだけのこと。当然その時には脳が補正に働くので、頭痛の火種が消えることはない。ワインの製造年が分かったと喜んでいる場合ではないのだ。

 かくいう筆者の遠近両用メガネも、気付けば5年目だ。

 パソコンで原稿を書いていても、表示される文字がぼやけて見える。「遣」と「遺」の違いなんて、かなり拡大しないとわからない。ちゃんと肩も凝るし、頭痛もしている。

 オマケに、これはメガネのせいかどうか分からないが、慢性的な二日酔いにも苦しんでいる。

 この原稿を書き終えたら、すぐにメガネ屋さんに行ってきます。