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連載池上さんに聞いてみた。

池上彰氏が解説「マグニチュード7級の地震に備えて、いま知っておきたいこと」

池上彰氏が解説「マグニチュード7級の地震に備えて、いま知っておきたいこと」

池上さんに聞いてみた。

2019/03/13
note

Q 引越しを考える時に、気をつけたほうがいいことは?

 政府の地震調査研究推進本部によれば、宮城県沖などで今後30年以内にマグニチュード7級の地震が発生する確率は、90パーセントなのだそうです。たとえば引越しを考える時に、気をつけたほうがいいことはありますか?(30代・女性・会社員)

A まずは住もうと考えている地域のハザードマップを見ることです。

 浸水と地震、津波について考えてみましょう。

 最近は各自治体が浸水の恐れのある場所についての「ハザードマップ」(被害予想地図)をつくって住民に公開するようにしています。去年の西日本豪雨でも、事前に危険が指摘されていた地区が浸水しました。

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 まずは住もうと考えている地域のハザードマップを見ることです。

©iStock.com

 また、昔の人は、危険な場所には、わざと恐ろしい地名をつけて後世の人に注意を呼びかけましたが、その後、「こんな名前では地価が上がらない」とばかりに名前が変えられてしまっていることがあります。もし地名が新しいものだったら、昔の地名をチェックすることです。

「沼」という地名がついているところは、いまは平地になっていても、かつて沼があった場所である可能性が高いですね。地盤が悪かったり地震で液状化しやすかったりする場所です。そこに新たに住むのであれば、耐震性を考慮しましょう。
 
 さらに海岸あるいは川の河口に近い場所に住む場合は、海岸に高さ何メートルの津波が来ると予想されているかを調べておきましょう。河口に近いと、津波が川を逆流してきます。海岸から離れているから大丈夫とは言えないのです。

 最近は、海岸の近くに「ここは海抜〇メートル」という表示も増えました。自分が住んでいる場所の海抜を把握しておきましょう。

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