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「楽天の4番島内宏明、どう思いますか?」 本人に聞いてみた

文春野球コラム ペナントレース2019

 4月9日、埼玉西武ライオンズとの今シーズン初戦、正直いうと開幕戦より緊張感はあったかもしれません。何故ならば、これまで積み上げられてきた絶対的な苦手意識からシーズン初戦を落とす事でまた新しいページにそのハンコを自ら押してしまいそうで……。

 思えば小1の時にジャングル大帝レオの自転車でコケて大ケガした頃から相性は悪かった。大阪市内を歩いていると何度となく出くわすライオンズマンションに怯えながら、森本レオさんの声に癒される事なく、いつしかおはようからおやすみまで暮らしを見つめられているんじゃないかとガタガタ震えながらの日々……。

 しかーし! そんな日々にサヨナラを告げるかの如くの勝利! ありがとー、ありがとー、ありがとうー!!

 えっ?

 いつも通り? 取ったら取られの薄氷を踏むような勝利やて?

 アホなこと言うたらあきまへん。確かにスコアだけみたらそうなんです。ただ正直7回裏に2点とられ7対6とされても昨年までのように、あっ……このままいかれる……みたいな恐怖が不思議となかった。取られてもライオンズに負けんくらい取ったるどーみたいな不思議な安心感さえあった。まぁ昨年まで一番恐怖だった東淀川区出身のドンがウチに来てくれた事も確かにある。

 だがしかーし、それだけやないのです。今季、楽天イーグルスの底力の秘密、それはもしかしたら「4番島内宏明」にあるのではないかと思い、4月6日京セラドームで行われたオリックス戦の後少しお話を聞いてきた。

楽天の新4番に入った島内宏明 ©文藝春秋

「4番島内」について本人に聞いてみた

かみじょう「今日も3安打、絶好調ですね!」

島内「いや……」

かみ「調子良さそうに見えるのですが?」

島内「自分の手応えとしては全くダメで、スイングも鈍いんです」

かみ「えっ……」

島内「なんでいいのかわからないですね」

 意外な答えに戸惑いながらも、打順のお話にはキッパリと断言してくれた。

かみ「4番島内についてはどうお考えでしょうか?」

島内「いやです」

かみ「いやなんかーい。プレッシャーはありますか?」

島内「全くないですね」

かみ「ならば自分の理想の打順はありますか?」

島内「9番ですね!」

 強がりではなく、プレッシャーを感じている雰囲気は全くなかった。プレッシャーを感じるのは「自分は4番」だと意識の中にある選手が感じる物であってあくまで自分は違うと言いたげだった。

かみ「センバツ高校野球、星稜頑張ってましたね!」

島内「そーなんですよっ」

かみ「試合は観てました?」

島内「観ることは出来なかったですが、応援してました。いける(きっと優勝)かなぁと思ってたんですが、よく頑張ってましたね!」

 神妙な面持ちから一転、柔らかな笑顔になる島内選手、選手の頑張りが非常に刺激になるらしく、差し入れはまた改めて考えていると教えてくれた。