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“己を律する男” ロッテ・今岡二軍監督が自分にも選手にも厳しい理由

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/04/14

 千葉ロッテマリーンズの今岡真訪二軍監督が朝起きて、一番最初に行うルーティンは洗面所の鏡に映る自分の顔に向かって話しかけることである。「自分を律する。己を律する」と何度も語り掛ける。昨年、二軍監督に就任してから一貫してファームに厳しさを求めた。プロとしてグラウンドという場には張り詰める空気を求めた。だからこそ、まず指揮官である自分自身が模範とならなければならないと思っている。

「選手たちに納得させるためには、まずは自分を律する必要がある。そうでないと言葉に説得力がないからね。この人に言われたら仕方がないと納得できる存在でありたいと思っている。だから毎朝、自分に言い聞かせるんだ。オレも決して立派だと胸を張れるような人間ではない。若い頃はムラがあった。自分でもそれは分かっている。だからこそ律する」

「自分を律する。己を律する」と毎朝、自分自身に話しかけている今岡真訪二軍監督 ©梶原紀章

練習中に話をすることはあまりない

 二軍というのは世間的に若手育成の場という見え方があるかもしれない。しかし、現実はそうではない。故障者もいれば、実績があっても不振で二軍落ちしている選手もいる。枠から漏れた外国人選手もいる。育成選手もいる。いろいろな選手の集合体の中で、組織としてしっかりと規律を重んじ、いつ誰が一軍に呼ばれてもいいように士気を高く維持しなくてはならない。そのためには褒めることもあれば厳しく指導することも時には必要となる。プロ集団として必要不可欠な整然とした空気を作る事を今岡監督は大事にしているのだ。

「いい事ばかりではない。ダメなものはダメと伝えなくてはいけない。そんな中で一人でも多くの選手の心を動かして一軍で活躍させたいというのが想い」

 空気を大事にする指揮官はあえて練習中に話をすることはあまりない。選手はもちろん、コーチと会話をする姿を見ることすら少ない。じっと練習を見つめている。ひたすら見る。場所を色々と移して仁王立ちで練習を見つめている。その凝視する姿こそが選手たちに緊張感を与えている。

仁王立ちで練習を見つめる今岡監督 ©梶原紀章

「厳しく接しているからには、しっかりと練習を見てあげないといけないよね。どういう姿勢で練習をしているか。なにを思っているのだろうかとか、調子はどうだろうかとか。その中で褒める時は褒め、指摘するときはする」