吉村洋文 大阪府知事
「残念だが、姉妹都市の信頼関係は完全に破壊された」
ツイッター 2018年10月2日
吉村氏といえば、大阪市長時代、慰安婦像をめぐってサンフランシスコ市と大阪市との姉妹都市関係を解消したことにまつわる発言が印象深い。上記の発言は、サンフランシスコ市に姉妹都市を解消する旨を伝える書簡を送った際のもの。
吉村氏は姉妹都市解消決定の理由を「不確かで一方的な主張を歴史的事実として記した」碑文にあるとし、「『慰安婦』の数、旧日本軍の関与の度合い、戦時中の被害規模などの歴史的事実については、歴史家の間にも見解の相違がある」と記した。
サンフランシスコ市の市長が声明
従軍慰安婦問題については、2014年、松井氏が「朝日が誤報と認めたことで強制連行の証拠がないと分かった。間違った教科書で知識を得るのはマイナスだ」と発言している(産経WEST 2015年3月13日)。その後、歴史学団体20団体が連名で「記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない」「当該政治家やメディアに対し、過去の加害の事実、およびその被害者と真摯に向き合うことを、あらためて求める」などの声明を発表した(日本史研究会ホームページ 2015年5月25日)。
コラムニストの小田嶋隆氏は、一連の吉村市長の行動について「一方で万博と統合型リゾート施設の誘致によるインバウンド需要の喚起を訴えていながら、もう一方では、国際対立を煽り、民族間の反感に火をつけ、人々の間にある排外感情の高まりに棹さすことで自分たちの政治的な立場を強固ならしめようと画策しているように見える」と批判(日経ビジネスオンライン 2018年10月5日)。サンフランシスコ市のブリード市長(同市初の黒人女性市長)は「我々2都市の市民間に存在している関係を、1人の市長が一方的に終わらせることはできない」と声明を出した(BBCニュース 2018年10月5日)。