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「八王子」が「住みたい街」2位になれた理由――多摩の“首都”は「立川」ではない?

歩いて分かった「買って住みたくなる」4つのポイント

2019/04/12
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2LDK・2000万円台後半から物件がある

「買って住みたい街」にランクインするためには、新しい物件が供給される必要がある。物件が無ければそもそも検索や問い合わせには至らない。この点、八王子では以前商店があった八日町や横山町といったエリアが再開発され新しくマンションが建つことで、駅近くで買い物も便利な新築マンションが供給されている。さらに、駅徒歩10分程度のエリアに2LDKや3LDKで2000万円台後半から購入可能な新築物件もあり、値ごろ感もある(ちなみに、立川では3LDKが5000万円台から)。

 ここまでを総合すると、自然環境・買い物環境・まちの構造変化・値ごろ感のある新築物件という4つの要素が組み合わさったことが「買って住みたい街」上位ランクインにつながっていると言えるだろう。

では八王子の「弱点」とは何か?

 ただ、気になるとすれば都心への通勤時間の長さと、買い物環境に弱い部分があるところだ。

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 都心への通勤に関しては朝ラッシュ時のJR中央線が新宿まで約55分(快速)、京王線が新宿まで約60分(急行)となっており、比較的長い。しかしながら、その弱点をカバーするようにJR・京王双方共に朝ラッシュ時間帯の前後と夕方~夜に通勤者向けに座席指定制の特急やライナーが運行されており、座って帰ることもできる。通勤電車に様々な選択肢がある点はかなり便利なのではないだろうか。

 買い物環境に関しては市民の男性も「メンズは立川の方が店が多いです。普段の買い物で困ることはなくても、服や雑貨でこだわったものを買うとすると立川にいくことになります。おおむね八王子か立川で揃いますが、買い物に関しては立川あってこそという面もあります」という。やはり立川には負けている部分もあるということだ。ただ、百貨店やある程度以上のブランドは八王子から電車で約10分の近い立川に頼れるということは、週末の買い物でわざわざ都心に出る必要はないということ。

 こうしたまちの姿をみていくと、八王子は腰を据えて住むまちとしてかなりポテンシャルは高いと言える。もちろん、人によって住みたいまちに求める条件は様々だが、「自然に近くて、それなりに買い物が便利なまちに住みたい」という方は八王子も選択肢として考えていてはいかがだろうか。

 

写真=鳴海行人

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