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韓国は日本よりも災害対策は進んでいるのか?
SNSでは、「日本よりも自然災害が少ない韓国のほうが、災害対策が進んでいる」との声も見受けられたが、これは事実だろうか? 確かに今回の山火事への対応は、今までにないほど迅速で、避難者にも適切な対応ができた。しかし、それだけで「どちらが進んでいる」という判断は難しい。これは日本と韓国の歴史的な背景を先に考えるべきである。
日本は国土が縦長で地方自治の歴史が長い反面、韓国は国土がコンパクトで中央集権の歴史が長かった。そのため、日本の災害対応は地方自治体が中心になる一方、韓国では中央政府にその役割が期待されてきた。
今回の山火事においても、全国の消防隊の出動や最新装備の支援の集中が可能だったのも、中央集権の影響が強かった。その反面、日本では自治体中心の災害対応であるため限界があるといえる。たとえば、消防の出動においても他県や自衛隊などの他機関へ「要請」はできるが、「命令」はできない。また、普段の災害支援物品の備蓄も自治体の負担になっているため、いつも最新の装備を備えるのは予算的にも厳しい。
一方、災害報道の面においては、韓国にも大きな課題が見つかった。ほとんどの放送局が火災の状況を伝えるだけに留まり、被災者への避難案内や対応策についての報道が無かった。また、手話報道や外国人に向けた案内報道が無かったのも問題点として指摘されている。日本では災害における報道の役割ははっきりとしていて、この点に関してはまだまだ韓国も日本から学ぶ点が多いと言える。