全米からトランプファンがどっと首都ワシントンDCに押し寄せた。推定25万人という報道に対してトランプは「150万人くらいに見えた」と反発したそうだが、ともかく1月20日、就任を祝うために集まった数は相当なものだった。
まず、ファンが一斉に集ったのは19日の前夜祭。就任式前に開催される「就任式イブ」と呼ばれるイベント参加のためだ。クリスマスにイブがあるように、大統領就任式にもイブがあるのだ。
自転車で就任式イブに駆けつけたダニエルさん
入場口にむかう長い列に並んでいると、ド派手なトランプ旗をなびかせながら自転車でやってきた男性が目に入った。
「Youは何しにワシントンへ?」
「トランプの話をナマで聞きにきた。ぼくはエネルギーに満ち溢れている彼が好きだ。アメリカは長年、『ポリティカル・コレクトネス』に疲れて、弱い国民になってしまった。トランプが約束する強いカルチャー、強いカントリー(故郷)の復活はいま、人々が求めていることなんだ」
そういう彼はワシントン郊外の街からやってきたダニエルさん(30代)。職業は特許審査官。その姿からは想像できない“お堅い”仕事だ。奥さんは日本人で、同じくトランプ支持者だという。「4人いる子供の守りで今日は一緒に来られず、残念がっていた……今日は街中、車やバス、バイクで地方から押し寄せてきているトランプファンでいっぱいだ。その渋滞をかいくぐって、ひとり自転車できた」そうだ。
たしかに会場に来る途中、地方の州名の入ったナンバープレートのバスがひっきりなしに到着しているのをみかけた。とくにトランプ支持者の多い南部や中西部州からだ。