『夫のちんぽが入らない』がベストセラー街道をゆく最中、“夫の息子”ではなく、「バカ息子」がリブースト、そんな1月の末である。
きっかけは女性自身による江角マキコの不倫報道。これを受けての今週の週刊文春(2月2日号)「江角マキコ“自爆不倫”報道の哀しみ」によると、芸能界引退にまで発展する江角マキコの不貞、そのすべてのきっかけは2014年の週刊文春のスクープ「江角マキコに『バカ息子』と落書きされた長嶋一茂邸」(2014年9月4日号)で、この記事をきっかけに夫婦仲が冷え、江角マキコは不倫へと向かったのだという。
「バカ息子」はその年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の話題賞を受賞する。身もふたもないまでの直球の悪口が世にウケたのだろうから、江角マキコの秀逸なコピーライティング力の賜物ともいえる。
江角マキコといえば、2004年、「将来年金がもらえなくなるかもって言ってたの誰?」と問いかけるCMに出演中に、当人の年金未納が発覚。これをスッパ抜いた週刊現代が、こちらは「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」スクープ賞を受賞する。
ところで未納というと、話題のこだま著『夫のちんぽが入らない』である。こちらは年金でなく、夫のちんぽが納まらない主婦の半生記。「バカ息子」にもまして、身もふたもないタイトルである。それもあってか、刊行されるなり重版出来、いきなり6万部突破のベストセラーとなる。しかし案の定、新聞主要2紙から広告掲載を拒否されたとのこと。夫のちんぽも広告掲載も拒否られる。受難である。
ちなみに「バカ息子」が誌面を飾った号の週刊文春は、別の方向でも世をにぎわす。こちらもまた広告掲載拒否である。長嶋一茂の体面をおもんぱかってのことではなくて、朝日新聞が従軍慰安婦に関する記事が虚偽であったと報じたのを受けての「朝日新聞『売国のDNA』」掲載号であったため、朝日新聞は週刊文春の広告掲載を拒否したのである。
週刊誌はタブーと背中あわせにある。取材拒否や掲載拒否、そうした拒否はその証であり、週刊誌の華ともいえようか。