文春オンライン
0.01の微調整より、1.0の進化をさせるのが経営者なんです

0.01の微調整より、1.0の進化をさせるのが経営者なんです

C Channel株式会社社長 森川亮さん #3

2017/02/06
note

その人たちがお金を使うものは何かを絞り込む

――文藝春秋もオンラインメディアに参入するわけですが、少なくともいきなりシェアを独占することはできません。森川さんならどうされますか?

 何かのジャンルに特化するかも知れませんね。ニュースメディアNo.1は難しいと思うので、何かに特化して若い人に訴求したいですね。

―すぐに思いつくのは「不倫ニュースNo.1」ですが。

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 それは強いですよね。広告が入るかどうかわかりませんが(笑)。あとは競合を買収するのもひとつの手です。ライバルがいなくなりますからね。

 

――お返事しにくいご提案ですね(笑)。あとは有料化も検討課題なんですが。

 難易度は高いですよね。最近だとWebマンガの課金方法がおもしろくて、無料公開の続きは有料なんですが、1日たつと2話目も無料になったりするんです。ユーザーを少しずつじらして、コンテンツそのものに課金するのではなく、読めるまでの時間に課金するという発想ですね。ルーレットで無料公開部分が増減したりといった運の要素も入れて、コンテンツそのものにお金を払うという気分を払拭しています。

――1日早くスクープが読める、となれば買う人はいるかもしれませんね。

 ニュースの本文が出る前に、名前は伏せてあるけど「●●が密会!」「◯◯逮捕のXデー!」といった見出し項目だけ読めるとか、メニューは考えられそうですね。あとはボツになった記事も売れると思います。社内での反発はあるかと思いますが(笑)。

 とにかく大事なのはターゲットが誰で、その人たちがもっともお金を使うものは何なのかを絞り込むことです。若い人がターゲットなら、すべての記事をマンガにしてしまうのもありですよね。記者さんが全員マンガを描けるようにトレーニングして、取材しながらマンガをアップロードしていくとか。スマホで撮影して密会現場を生中継するとか(笑)。

 

――こういう提案をされると「それはできません」と答えてしまうんでしょうね(笑)。もちろん法的な問題もありますし、炎上する可能性もありますが、クリアしながらできることはありそうな気がします。そこで伺いたいのは、最近話題になったキュレーションメディアの問題です。

 ポイントは著作権侵害を、そうと知っていながら続けていたことですよね。医療情報の誤りはわからなくてやっていたのでしょうが、知っていながら著作権侵害を行っていたのは、企業としてはまずいことです。

 NAVERまとめも批判されていますが、ユーザーからの投稿には一定の割合でまずいものがある。プラットフォームは意思をもたない道ではありますが、良い情報だけを残す仕組みは必要です。

――C CHANNELでも投稿動画はチェックされているでしょうが、コメントでの炎上には何か対策されていますか?

 今はないですね。通報があれば対応することにしています。あと、プログラムで同じコメントを大量に入れてくる人がたまにいるのですが、それはシステムで自動的に排除するようにはしています。DeNAパレットの問題を受けて、社内に監視委員会を作って一通りのチェックをしました。著作権侵害の疑いのある動画が投稿されたときに、どうやって削除するのかなども再確認しました。