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――特に前作『悲伝 結いの目の不如帰』(18年6月)の殺陣の迫力とスピード感は凄まじかったです。内容もこれまでの集大成感のあるものでした。

和田 ラストの展開は、1作目の時点で、すでに脚本・演出の末満(健一)さんから伺ってはいたんです。ただ、シリーズが続かなければ辿り着けない場所ではあったので、本当によかった。鈴木拡樹さん(三日月宗近役)が座長として闘う姿勢を見せつづけてくれて、その横にはマッキー(荒牧慶彦/山姥切国広役)が常にいて、この二人が不動だったことも大きいですね。

――新作公演は、その荒牧さんの山姥切と、和田さんのへし切長谷部の二人が並んだキービジュアルとなっています。刀剣乱舞で言うところの「本丸」を託された感じですかね。

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和田 託された……のかな? そこはあまり意識しないようにしてますね。たしかに僕とマッキーは初演から参加しています。ただ、マッキーはこの本丸の近侍(主の一番そばに仕える部隊長)なので中心じゃないですか。一方、長谷部はいったい何を……するんだろう? って(笑)。今回は初めから「極」という成長した状態で出るので、そこはこれまでと違った魅力が出てくるかも、と思っています。それに、これまでにない数の刀剣男士が登場する予定でもありますし、まずはお客さんに楽しんでもらえればと。

――新作について荒牧さんとお話は?

和田 つい先日、映画(『映画刀剣乱舞』)のコメンタリー収録で会いましたけど、普段、僕ら改めて言葉を交わさないんですよね。長い付き合いで、他の作品でもよく共演してますし、そこは言わなくてもお互いわかることも多くて。

©柏田テツヲ

役・刀と一緒に生きてる感覚

――新しいキャストの方たちとはどうですか。頼られる局面もありそうですが。

和田 それもあまり考えないようにしています(笑)。マッキーはけっこう相談に乗るタイプですけどね。たしかに刀ステの世界って、新しい人にとっては、難しさもあると思います。ただ僕ができるとしても、橋渡し程度ですよね。押し付けはしたくないなと。本当に迷っている人がいれば、アドバイスすることもあるかもしれないですけど……。

――誰か具体的に浮かんでそうな口ぶりですね。

和田 加藤 将(大包平役)とかね(笑)。

――加藤さんは前作が初参加で、力演でしたね。

和田 将は一生懸命で、不器用なんですよ。僕も初演でそうだったから、わかるんです。なので「俺はこういう風にやったら、わかることもあったよ」って、アドバイスというか、会話する感じですね。会話なら僕も何かもらえるものがあるし、それに対してこちらからも何か返せればいいなと。