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――ちなみに和田さんにとって、へし切長谷部とはどんな刀剣男士ですか?

和田 常に「主が一番」という気持ちを持ってますね。ただ、いかんせん大人であろうと背伸びをしてますねぇ(笑)。そこは自分にも似たところがあるなと。僕にとっては、人生を変えてくれた刀でもありますし、愛しい存在ですよ。この役・刀に関しては、一緒に生きてるという感覚があります。

――「演じる」ではなく、役を「生きる」という言い方を、和田さんはよくしますよね。

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和田 ええ、ただ最近は、あまり言わないようにもしていて。

©柏田テツヲ

――そうなんですか?

和田 ちょっと感じ方が変わってきてるんですよね。僕、何を演じても和田雅成だって言われることがよくあって、それって役者としてどうなんだろう? と思っていたんです。「和田雅成が演じるへし切長谷部」だと、やっぱり役よりも自分が先にきてしまう感じがして。でも、今年1月に出た舞台(『画狂人 北斎』)での演出で宮本亜門さんに出会って、また考え方が変わってきました。

――どう変わりました?

和田 それが亜門さん、わけわからなく僕を悩ませてくれるんです……って、それじゃ何だかよくわからないですよね(笑)。何だろうな、アニメとかはまさにそうなんですけど、何をリアルと感じるかは人それぞれですよね。それが舞台の場合は、ステージの上で役者が実際に生きているわけじゃないですか。その上で役の持つリアルがあるとして、それは誰にとってのリアルなのか? どこにリアルが存在しているのか? そういうことを考えるようになったんです。……やっぱりわけがわからなくなってくるんですけど(笑)。

――たしかに舞台俳優にとっては重要なことですね。

和田 だから見る人から見れば、僕はブレブレかもしれない(笑)。でもブレながら、がんばりますよ。正解のない世界だからこそ、楽しいと思えるんです。

◆ ◆ ◆

Masanari Wada

1991年大阪府生まれ。10代はプロを目指した野球少年。モデルを経て、2012年より大阪で舞台を自主公演。13年東京に拠点を移し、『戦国無双』『おそ松さん』など2.5次元舞台で欠かせない存在に。今年は宮本亜門作品などにも進出。

 インタビュー全文と、カラーグラビアは4月26日(金)発売の「週刊文春WOMAN」(vol.2 2019GW号)にて掲載中。

週刊文春WOMAN 2019GW (文春ムック)

 

文藝春秋

2019年4月26日 発売

撮影 柏田テツヲ
メイク 小倉優美(LaRME)
スタイリング 石橋修一
衣装協力 ディーゼル(ディーゼル ジャパン)tel.0120-55-1978