「アイドルになりたい」と思わせないような出来事も増えてますが……
――最近は「アイドルになりたい」と思わせないような出来事も増えてますが、アイドルに憧れてアイドルになった高橋さんはどう感じていますか?
高橋 寂しいですね。アイドルって本当に素晴らしいものだし、私はアイドルであることに誇りを持っているから。アイドルはもっと輝いてる存在になってほしいです。
――「アイドルはこうあるべき」というのはありますか?
高橋 今、アイドルの子にアドバイスをするなら、自分を安く売らないでほしい。みんなの憧れの存在という自覚を持ってほしいです。将来的に後輩を育てたい気持ちもあります。アイドルを卒業した子もグループが解散した子も、いろんなことを経験しているので、現役アイドルの子たちに向けた講義をやってもいいと思うんです。
――ドロシーリトルハッピーはアイドル戦国時代を駆け抜けて、確実にその足跡を残したと思います。
高橋 私はドロシーリトルハッピーを尊敬してますし、メンバー自身がそう思えるグループでよかった。ドロシーが大好きなまま卒業できて幸せです。
――卒業を発表した時点でその後のビジョンはあったんでしょうか?
高橋 卒業するまではドロシーとしてやり切ろうと思って。その後は声優としてのお仕事を頑張りながら、歌うことも続けていきたいなと考えてました。
「アイドルをやめて声優になったわけではなく」
――17年から声優の仕事もはじめてましたからね。
高橋 5人の時はソロの仕事よりもグループの仕事が優先すべきだと思っていたけど、2人になった時に挑戦したい想いがフツフツと沸き出して。ひとりになった時に「アイドル以外の活動も頑張らなきゃフェードアウトしてしまう」と危機感を抱いたんです。ワークショップで勉強するところからはじめました。
――現在の声優業界は若くてビジュアルがよくて歌もダンスもできる方が多いじゃないですか。そんな世界で戦うのも大変だと思います。
高橋 アイドルの世界以上に高いスキルを持った子が多いなと感じました。しゃべりも上手いし、楽器を弾ける子だっていますから。私の武器は、アイドル業界で学んだ仕事に対する意識やまわりの方に対する礼儀だと思ってます。
――「歌うことも続けていきたい」ということですが。
高橋 みなさんから「アイドルを辞めて声優になった」と言われるんですけど、私にとっては「グループ卒業=アイドル卒業」じゃなくて、ずっとみんなのアイドルでいたいと思ってます。またアイドルとして歌いたいです。
――「アイドル」という肩書が取れたわけではないと。
高橋 そうですね。一生アイドルだと思っているので。アイドルからは卒業できないです(笑)。
写真=川しまゆうこ
髙橋麻里(たかはしまり)…12月15日生まれ、宮城県仙台市出身、血液型O型
プロフィール http://object-co.jp/